おりものは閉経前であれば生理的にみられる正常のものですが、量や臭いが異常に増えた場合は、細菌性膣炎やクラミジアなどの性病が考えられます。また、閉経後は粘膜が弱くなることで萎縮性膣炎をおこしやすくなります。
A.細菌性膣炎
大腸菌やブドウ菌などの一般的な菌が原因の膣炎です。膣の中にはいろいろな雑菌が住み着いて、通常は膣の自浄作用で一定の数に抑えられえています。ところが、からだの抵抗力が落ちて、ホルモンが崩れて自浄作用が働かなくなると、病原菌が繁殖して膣炎が起きます。黄色くクリーム状のおりものが増えます。かゆみはあまりありませんが、おりものが増えて外陰部がただれることがあります。
B.性器クラミジア感染症
性交により、クラミジア・トラコマチスが感染して起こり、性病(性感染症)のなかで、もっとも頻度が高い病気といわれています。病気の場所は主に子宮の入り口(子宮頚管部)で、子宮頚管炎を起こします。感染が卵管、卵巣に向かって広がり、子宮付属器炎や骨盤腹膜炎を起こすこともあり、後遺症として不妊症の原因となることがあります。潜伏期間は1~2週間で、多くは自覚症状のない子宮頚管炎です。下腹部痛や不正出血がある場合は、子宮付属器炎を疑う必要があります。
C.淋菌感染症
男性の症状(尿道炎)が強いので、男性の病気とおもわれがちですが、近年女性にも増えています。パートナーが尿道炎を起こした場合は、一緒に検査を受けて治療しましょう。女性の場合は、自覚症状が少なく、子宮頚管炎の場合はおりものが少し多い程度です。子宮付属器炎を合併すると下腹部痛、発熱を伴うことがあります。
D.萎縮性膣炎
卵巣機能が低下して女性ホルモンの分泌が減り、膣の自浄作用が弱まって起こる膣炎です。黄色っぽい粘り気のあるおりものがでます。膣の潤いがなくなることで性交痛がおき、少しの刺激でも出血しやすくなります。
治療
治療は、原因によって膣錠や内服治療となります。
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