美肌注射はビタミンCとナイアシン、タチオン(グルタチオン)を主成分とし、B1、B2、B6も含んだ注射です。
ビタミンC
ビタミンCは体内で作ることができないため、食品から定期的に摂取することが必要となります。ストレスや飲酒・喫煙、紫外線を浴びることにより消費されるので、充分に摂取することが理想ですが、水溶性のため、長期間体内にストックすることができません。余分に摂取しても尿から排泄されます。注射をすることで血中のビタミンC濃度が一気に上昇するため、食事や内服よりも高い効果が期待できます。
またニコチンがビタミンCを破壊するため、喫煙者は非喫煙者の1.5倍のビタミンCの摂取が必要と言われます。タバコを吸う方にもおすすめです。
ビタミンCの作用
- 抗酸化作用
- 抗ストレス作用
- コラーゲンの合成促進作用
- メラニンの合成抑制作用
- 疲労回復作用
- 免疫力を高める作用
期待できる効果
- シミ・シワの予防効果
- ストレスの軽減
- ストレス・生活習慣の乱れ・喫煙・紫外線を浴びたことなどで発生した有害な活性酸素を除去する効果
- 疲労回復・免疫力の向上
起こり得る副反応
以下の場合は治療をお勧めしないことがあります。詳細は担当医にご相談ください。
- 腎臓の機能が低下している
- 栄養状態が悪い
- 脱水症状がある
- 透析中である
※稀にアレルギー反応、頭痛、下痢、湿疹、蕁麻疹が出現することがあります。
注射を打つのは気が進まない、という方のために、高濃度ビタミンC配合のサプリメントも取り扱いがあります。
ナイアシン(B3)
ナイアシンは以前ビタミンB3と呼ばれていました。ナイアシンアミドとナイアシンの総称です。ナイアシンは人体に豊富に存在しており、一部は体内で生合成できるため、以前は敢えて食品から補給する必要はないと考えられていましたが、実際には不足しやすい栄養素であるため、外部から補給することが勧められます。
ナイアシンの作用
- 体内の代謝を向上させ、脂肪の燃焼を促進する作用
- アルコール分解作用
- 血行改善作用
- 精神を安定させる働きをする神経伝達物質セロトニン(幸せホルモンともいわれます)の生成を補助する作用
- 皮膚や粘膜を維持する作用
期待できる効果
- 代謝をアップして脂肪燃焼を助ける効果
- 二日酔いや悪酔いの予防効果
- 肩こりや偏頭痛などの体調不良の予防効果
- 肌のくすみやクマを改善する効果
- うつ病や不眠症などの精神面の不調を緩和できる
- 肌荒れや口内炎の改善と予防効果
起こり得る副反応
- 胃酸過多の場合は胃の痛み・吐き気・下痢が起こる可能性があります。
- 一度に大量に摂取すると顔面の潮紅・かゆみが出ることもあります。
※稀にアレルギー反応、頭痛、下痢、湿疹、蕁麻疹が出現することがあります。
ところで、ワシントン大学の今井眞一郎先生が、老化・寿命研究の中で、ナイアシンから作られるニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)は「老化を遅らせ、元気が続く一助となる抗老化成分である」と解明し、話題となりました。
NMNは、摂取後体内ですぐにNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)という、生きていくうえで欠かせない補酵素に変換され、長寿遺伝子といわれる「サーチュイン」の働きを活性化します。特に40代以降ではサプリメントとしてNMNを摂取することで、摂取していない場合と比べて効果が出やすいと言われています。
当院でもNMNのサプリメントの取り扱いがあります。
タチオン(別名:グルタチオン)
人体の肝臓・筋肉に広く分布しており、体内でも合成される栄養素の一つですが、20代をピークに加齢とともに減少していきます。
タチオンの主な作用
- 紫外線による活性酸素を除去することで、メラニンの過剰な生成を抑制し、色が濃いメラニン(ユーメラニン)の生成を抑制し、色の薄いメラニン(フェオメラニン)に変化させる作用
- 強力な抗酸化作用
- 解毒作用(ストレス改善・疲労回復作用)
期待できる効果
- 美肌効果
- シミ・そばかすの予防効果
- 疲労回復効果
- 二日酔いの予防効果
起こり得る副反応
- 敏感な方は注射時に血管痛を感じることがあります。注入速度を調整しますので、我慢せずお申し出ください。
- 食欲不振・吐き気・嘔吐・発疹(頻度は0.5%程度)が出現する可能性があります。
- 稀にアナフィラキシーショックが出現する可能性があります。