シワ、とは年齢と共に生じた皮膚の変形のことですが、経年変化と、紫外線による光老化が主な原因と考えられています。予防のためには日焼け止めを小児期から使用し、紫外線による老化を防ぐことが重要です。
A.ちりめんジワ
皮膚の表面(表皮)で慢性的な乾燥が続くと、ちりめんジワが出現します。
治療
適切な化粧品を使用し、保湿を行うことで目立たなくなる可能性があります。
B.シワ
皮膚の少し深い部分(真皮)には、肌のハリを保つ役割をする線維(コラーゲン線維やエラスチン)などが存在します。真皮の線維が変性、減少することでシワが生じます。
治療
目尻・眉間・口の周り・オデコなどの表情を作った時に刻まれるシワ(表情ジワ)に対しては主にボツリヌス菌が産生するA型ボツリヌス毒素製剤(ボトックス)を用いて治療を行います。
鼻唇溝やマリオネットライン、ゴルゴラインなど、表情を問わず残るシワに対しては、主にヒアルロン酸の注入を行います。
C.タルミ
さらに深い部分で脂肪組織の減少、筋肉の衰え、骨の老化が起こるとタルミが生じます。
治療
手術療法が選択されることもありますが、当院ではA型ボツリヌス毒素製剤(ボトックス)及びヒアルロン酸の注入を組み合わせて、できるだけ日常生活に支障が出ない形で治療を行います。
マイクロボトックス注入治療を用いて顔面全体の引き締め治療を行うことも可能です。
よくある質問
- ヒアルロン酸とボトックスの違いはなんですか?
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ヒアルロン酸は、皮膚の下に注入してボリュームを増すことにより、溝や凹みを改善します。表情を作っていない場合も存在するシワ(ほうれい線、マリオネットラインなど)には主にヒアルロン酸の注入が適応となります。
ボトックスは、打った部分の筋肉の動きを一時的に緩める働きがあります。このため、表情を作った時に現れるシワ(眉間や目尻など)には主にボトックスの注入が適応となります。
- 治療効果は永久ですか?
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ヒアルロン酸、ボトックス治療はいずれも、治療後数ヶ月程度効果が持続した後、徐々に元の状態に戻って行きます。適宜追加の治療を受けることで効果を長続きさせることも可能です。
- 治療中は痛みがありますか?
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ヒアルロン酸、ボトックス治療は、いずれも皮膚に針を刺して薬剤を注入するため、痛みを伴います。治療30分〜1時間前に、局所麻酔のクリームを塗布してから治療をすることで、痛みを緩和することができます。但し無痛にはならないため、必要に応じて冷却しながら処置を行います。
- 治療後すぐにお化粧ができますか?
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治療した場所に赤みや腫れが残りますが、治療後はお化粧をしてお帰りいただけます。医師の判断により、お化粧をお勧めしない場合もあります。
- 治療後の注意点はありますか?
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内出血や赤みが目立つ場合がありますので、ご心配な場合は帽子やマスクをご持参ください。
治療当日の運動やサウナ、長時間の入浴などは、赤みや腫れを悪化させる原因となるため、お止めください。