形成外科・美容皮膚科
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できもの教えて!形成外科・美容皮膚科の淺岡先生

Q
‘できもの’とは何ですか?
A

頭、顔、身体など全身の皮膚やその下の組織(皮下)にできる、‘目に見えたり触れたりする細胞のかたまり’、のことです。医学用語では皮膚腫瘍・皮下腫瘍、と呼びます。

蛇足ですが、にきびは「毛穴に皮脂が詰まり、炎症を起こして隆起した状態(ふきでもの)」なので、医学的には皮膚腫瘍ではありません。

Q
‘できもの’の種類を教えてください
A

代表的な‘できもの’を列記します。

A.ほくろ

「母斑細胞」と呼ばれる細胞の集まりです。体のどこにでもできます。大きさは1~10㎜程度で、皮膚の色に近いものから茶褐色、黒色と色合いもさまざまです。生まれつきある場合と、途中から出現するものがあります。年月を経て隆起する、中心に毛が生えるものもあります。

治療に先立ち、「悪性のほくろ」を見分けることが非常に重要です。

B.粉瘤(アテロームとも言われます)

何らかの原因で皮膚の下に袋状の構造物ができ、本来は皮膚から剥がれ落ちるはずの垢(角質)や脂(皮脂)が袋の中に溜まってできた‘できもの’、が粉瘤です。体のどの部分にもできます。やや盛り上がったドーム状のできもので、中心に黒い点状の開口部があり、強く押すと臭くてドロドロした泥状の物質が出てくることもあります。

C.脂肪腫

皮膚の下で脂肪組織が増殖した良性の‘できもの’です。数mmから10cm以上に及ぶものまで、大きさは様々で、皮膚がドーム状に盛り上がり、柔らかいしこりとして触れます。長い年月をかけて徐々に大きくなることが多い‘できもの’です。

D.脂漏性角化症

老人性いぼ、老人性疣贅(ゆうぜい)とも呼ばれます。肌色、褐色、黒色でザラザラして少し盛り上がりがある、良性の‘できもの’です。体のどの部分にもできます。特に顔面、首、手の甲など、日光に当たりやすい場所に多く見られます。擦れやすい部分(わきの下、デコルテなど)にもできることがあります。かゆみを訴える方もいます。

E.石灰化上皮腫

皮膚の下に石のように硬いしこりを触れる‘できもの’です。毛根に存在する毛母細胞を起源とする‘できもの’です。ほとんど無症状ですが、痛み、圧痛(押すと痛い)を感じることもあります。若者、特に小児の顔(まぶた)、首、腕に多く見られます。

F.軟線維腫

首、わきの下、Vラインなどの柔らかいところに生じる、肌色から褐色の‘できもの’です。首やわきの下などによくみられる2~3mm程度の小さいものをアクロコルドン、スキンタッグ、体などに出来る1cm以上のやや大きいものを軟性線維腫と呼ぶこともあります。日焼け、衣類の擦れ、加齢によりできると言われます。

G.血管腫

多く見られるのが老人性血管腫です。毛細血管が増えたものです。鮮やかな赤いほくろのような‘できもの’です。首、デコルテ、腕、背中などに20代以降からできはじめ、中年になるにつれて増加します。この他にクモ状血管腫、血管拡張性肉芽腫、静脈湖などがあります。

H.皮膚悪性腫瘍

皮膚腫瘍・皮下腫瘍とは、全身の皮膚やその下の組織(皮下)にできる、‘目に見えたり触れたりする細胞のかたまり’、のことですが、無秩序に増殖しながら周囲にしみ出るように広がったり(浸潤)、体のあちこちに飛び火して新しいかたまりを作ったり(転移)して、生命を脅かす皮膚・皮下腫瘍、が皮膚悪性腫瘍です。

基底細胞腫、日光角化症、有棘細胞癌、ボーエン病、バジェット病、悪性黒色腫などがあります。

良性の‘できもの’と区別がつきにくいものも存在するため、治療の希望の有無に関わらず、‘できもの’が気になる場合は皮膚科・形成外科を受診することをお勧めします。

Q
‘できもの’が痛いのですが、どんな原因が考えられますか?
A

‘できもの’が細菌感染などにより、炎症を起こしている場合と、‘できもの’自体が痛みを引き起こしている場合などが考えられます。

炎症を起こしている場合は、痛みと共に腫れや赤みも見られ、出血や膿が出ることもあります。この場合は、なるべく早めに皮膚科など医療機関を受診し、適切な処置(抗生剤の内服や外用薬の処方など)を受けることをお勧めします。

爪の下にできるグロムス腫瘍のように、‘できもの’自体が痛みを伴うものもあります。

Q
痛くない‘できもの’は放っておいてよいですか?
A

良性の‘できもの’、であれば放置しても、少しずつ大きくなるというデメリットはあるものの、命に関わるトラブルは起きないことがほとんどです。しかし、痛みを伴わないからといって、良性の‘できもの’である、とは言い切れません。特に、急に大きくなってきた、突然できた、色の濃淡が目立つ、形がいびつになってきたなど変化がみられる場合は、早めに医療機関にご相談ください。

Q
‘できもの’ができたら皮膚科を受診すればよいですか?
A

まずは皮膚科、形成外科を受診し、悪性の‘できもの’ではないことを確認することをお勧めします。

悪性の‘できもの’の場合は、担当医の指示に従い、迅速に治療をすることが必要となります。緊急性はないが、治療をご希望の場合は、切除などの処置が可能な医療機関(手術療法に対応している皮膚科、形成外科)の受診をご検討ください。当院でも随時ご相談を承っております。

Q
粉瘤とはなんですか?
A

何らかの原因で皮膚の下に袋状の構造物ができ、本来は皮膚から剥がれ落ちるはずの垢(角質)や脂(皮脂)が袋の中に溜まってできた‘できもの’、が粉瘤です。体のどの部分にもできます。やや盛り上がったドーム状の‘できもの’で、中心に黒い点状の開口部があり、強く押すと臭くてドロドロした泥状の物質が出てくることもあります。

誰にでも、体のどこにでもできます。ケガなど、皮膚にキズが付いたことがきっかけでできることもあります。粉瘤ができやすい方も中には存在します。

粉瘤を予防する特別な手立ては残念ながらありませんが、皮膚の清潔を保ち、自分で無理にニキビや‘できもの’を潰す・いじる等はしない、暴飲暴食をしないなど、生活サイクルを見直すことが、悪化を防ぐ一助となるかもしれません。

Q

耳にしこりのようなものがあります

A

耳にできるしこりのうち、良く見られるのは粉瘤です。ピアスを開けたことがある場合は、きずあと(瘢痕)やケロイドの可能性もあります。柔道やラグビーなど、耳が擦れやすいスポーツをしていた場合は、古い出血が固まったもの(いわゆる柔道耳)も考えられます。

Q
頭皮にも‘できもの’はできますか?
A

頭皮にもほくろ、粉瘤、血管腫をはじめとする‘できもの’ができます。

茶色くザラザラした‘できもの’、である脂漏性角化症も良く見られます。

Q
顔にできる白いぶつぶつはなんですか?
A

顔にできる肌色や薄いピンク色の小さな‘できもの’には、稗粒腫(はいりゅうしゅ)・汗管腫(かんかんしゅ)・エクリン汗嚢腫(かんのうしゅ)・脂腺増殖症(しせんぞうしょくしょう)、軟線維腫、脂漏性角化症など、さまざまなものがあります。面皰(いわゆる白ニキビ)、毛包炎、ウイルス性のイボの可能性もあります。

稗粒腫は、子供から年配の方まで年齢を問わず、目の周り、おでこ、頬などに多く見られる、白っぽい小さな‘できもの’です。皮膚の代謝産物が皮下に溜まった‘できもの’で、ニキビとは異なり、洗顔や外用で改善することはあまりありません。針で小さな穴を開けて押し出して治療をします。同じ場所に再びできることも多いです。

汗管腫・脂腺増殖症は、汗や皮脂の分泌腺が増殖した‘できもの’です。汗腺・脂腺は皮膚の深部に存在するため、残る傷あとや再発のリスクも考えながら治療を行います。

汗管腫は一度できると自然に消えることはない‘できもの’ですが、エクリン汗嚢腫は夏場に目の周りを中心に出現し、涼しくなると目立たなくなる‘できもの’です。エクリン汗嚢腫は、ボトックスを薄めて皮下に注入することで、ボトックスの効果が持続する間は目立たなくなります。