当院では、主にコグと呼ばれるトゲがついたタイプのコグスレッドと、細く短い糸を皮下に残すタイプのショートスレッドの2種類を用いて治療を行います。いずれも安全性の高い、生体内で自然に分解・吸収される医療用の吸収糸です。
Ⅰ)コグスレッド
コグスレッドはコグを皮下組織に引っ掛けることにより、組織を引き上げたい方向に移動します。糸周囲でコラーゲンが活性化して、皮膚のハリも改善します。このうちの1つであるTESSLIFT™️は、韓国のTESS社が開発したポリデオキサノン(PDO)素材のコグスレッドです。バーブと呼ばれるコグのついた吸収糸を、メッシュで包んだ構造(図1)です。CEマーク(※1)を取得しています。
バーブにより組織を引き上げる効果だけではなく、施術後にメッシュ構造の中に皮下組織が入りこみ、線維芽細胞が新生してコラーゲン生成が促進するため、効果が長持ちします。
メッシュ構造により皮下組織との接触面積が大きくなるため、PDOの脂肪萎縮効果が高まり、引き締め効果も期待できます。

PDOは他素材のポリカプロラクトンやポリ乳酸のスレッドに比べて短期間で吸収されると言われますが、TESSLIFT™️は、PDOの特性を活かした独特な構造であるため、他のスレッドリフトとは一味違った引き上げ効果と美肌効果が得られます。
一般的にスレッドリフトは挿入直後が最も引き上げ効果が高いのに対して、TESSLIFT™️は、直後から1-2ヶ月かけてじわじわと引き締め、肌の質感が改善するのが特徴です。個人差はありますが、効果は1年程度持続します。
カウンセリング時にお悩みを伺いながら使用する糸の本数を決めます。片側3〜4本が目安となります。
スレッドリフト治療時の注意点
- 糸の刺入部が数ミリの創となります。施術後5〜7日程度はテープ保護をお願いします。
- 施術後に腫れ・内出血斑が生じることがあります。1〜2週間程度で改善します。
- 洗顔・洗髪・メイク(刺入部は除く)は治療翌日より、入浴は翌々日より可能です。
- 飲酒・喫煙・運動・サウナ・大きく口を開ける動作(歯科治療)などは予期せぬ出血や腫れを引き起こすため、施術後1週間はお控えください。
- 顔のマッサージ・エステは施術後1ヵ月程度お控えください。
- 施術後1ヵ月は糸の刺入部に毛髪のカラーリング・パーマ液がつかないようお気をつけください。
起こりうる合併症
- 局所麻酔薬の影響で、施術後数時間、片側のみ顔面神経麻痺の症状が出ることがあります。稀に麻痺症状が遷延することがあります。
- 糸を挿入した部分の内出血斑・浮腫・痛みが出ます。数日から2週間程度で改善します。
- 一時的にひきつれ、つっぱり、口が開きづらくなることがあります。
- 口腔内から糸が触れることがあります。
- 耳前部に糸の折り返し部が触れることがありますが、1ヶ月程度で改善します。
- 左右差が出ることがあります。
II)ショートスレッド
ショートスレッドは図2のような特殊な針に髪の毛よりも細い吸収性の糸が内蔵されています。皮下に針を刺し、糸を埋め込みます。
腫れなどのダウンタイムが少ないため、ショッピングの合間でもできる簡便な施術、としてショッピングリフトとも呼ばれます。
スレッドリフトのような引き上げ効果は少ないものの、糸が吸収されるまで6から8ヶ月にわたり、挿入した部分が一時的な炎症反応を起こして皮下脂肪組織が萎縮することでタイトニング(引き締め)効果が得られ、線維芽細胞が増殖することで皮膚のハリや弾力が増します。

特にフェイスラインを引き締めたい、口の横のもたつきを改善したい場合、スレッドリフトと併用することができます。また、スレッドリフトの施術は気がすすまない場合に単独で施術することもできます。
糸自体は6ヵ月でほぼ溶解しますが、挿入後に皮下で軽度の炎症が起きて最長12ヵ月程度コラーゲンを刺激すると言われます。6から12ヵ月間隔を開けて治療を行うのが良いと考えます。
ショートスレッド治療時の注意点
- 針を刺した部分の赤み、腫れが2、3日出ることがあります。
- 治療した部分のつっぱり、違和感、浮腫みが数日出ることがあります。
- 内出血斑が生じた場合は1〜2週間で改善します。
- 洗顔・シャワーは当日より、入浴・メイクは翌日より可能です。赤み・腫れが残る部分は強く擦らないようご注意ください。
- マッサージ・エステは2週間程度お控えください。
起こりうる合併症
- 治療後数日程度、軽度の痛み・赤み・むくみ・かゆみが生じることがあります。
- 内出血斑が生じた場合は、目立たなくなるまでに1〜2週間かかります。コンシーラーなどで隠すことが可能です。
- 稀に挿入した糸が皮膚より出てくることがあります。毛抜きなどで除去することも可能ですが、ご心配な場合はご来院ください。
